米GartnerのDataquestが米国時間6月17日に,「2002年における米国のデジタル・カメラ(デジカメ)の出荷台数は,2001年の640万台から30%増の830万台に達する」との調査結果を明らかにした。

 販売価格の低下に加え,デジタル写真のプリントが容易になっていることなどが,デジカメの普及を促進する。また,ホリデー・シーズンには売上が一気に加速する見通しだ。

 「メーカーは第4四半期の売り込み攻勢に備えている。第4四半期はホリデー・シーズンの影響で,全台数の約半分が販売されるためだ」(Dataquest社,Digital Document and Imagingグループ担当副社長のAndrew Johnson氏)

 Dataquest社は,米国家庭におけるデジカメの普及率が2002年末までに17%,2006年末には50%以上に達すると予測する。

 デジカメは,消費者が写真を撮影,共有,保存する方法に大きな変化をもたらしている。しかし,「撮影したデジタル写真をプリントする方法が限られていたため,ユーザーはもっぱらパソコンやテレビの画面で閲覧したり,電子メールで送受信するために利用していた」(Johnson氏)という。

 カメラ業界では現在,デジタル写真を従来の銀塩カメラと同じように,手軽にプリントできるようにする取り組みが行われている。2003年に,国際業界団体であるI3A(International Imaging Industry Association)が推進するネットワーク構造とディレクトリ・サービスの構想「CPXe(Common Picture eXchange Environment)」が実現すれば,ユーザーはデジタル写真をさまざまな方法でより簡単にプリントできるようになる。

 例えばユーザーは,デジタル写真をアルバムやポスターにプリントできる小売店をWWW上のディレクトリで検索したり,オンラインで写真データを送信して,プリントされたものを小売店で受け取ることなどが可能になる。

 Dataquest社は,新しいプリント・サービスの登場によってデジタル・カメラの普及が進むとみており,カメラ・メーカーが市場で競争力を増すにはビジネス・モデルの見直しが必要になる,と指摘している。

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